肩こりに悩まされる人は多いと思います。
そこで、私の枕探しの経験と、解剖学的見地から考える枕の最適条件について書きたいと思います。
良い枕の条件
私が考える、最適な枕の条件は以下の5つです。
条件1.季節の温度変化によって枕の機能が変化しない
条件1.季節の温度変化によって枕の機能が変化しない
条件2.枕の形状が常に維持されている
条件3.寝返りがうちやすいように横方向には高低差がない
条件4.縦方向は背中の深くから首にかけてしっかり支持されており、頚椎に剪断力がかからない
条件5.頭部は2〜3cmの高さで保持される
条件5.頭部は2〜3cmの高さで保持される
これより、この条件を1つずつ解説していきます。
条件1.季節の温度変化によって枕の機能が変化しない
自分の経験では、テンピュールの枕は夏場に柔らかくなり、冬場には硬くなります。そのため、季節によって首の調子が良くなったり、悪くなったりすることに気がつきました。
ですので、低反発素材は基本的に枕選びからは、除外したほうが良さそうです。
条件2.枕の形状が常に維持されている
枕の形は首や頭を支える最適な形状に常にキープされている必要があります。なぜなら、ビーズやそば殻などの枕は寝始めに寝心地が良くても、寝返りをうつ中で形状が変わり、寝苦しくなることが多いです。
「朝起きると枕から頭が外れていた」という状況はそういう理由から起こります。
そのため、ビーズやそば殻などの動く素材は除外したほうが良さそうです。
条件3.横方向には寝返りがうちやすいように高低差がない
人間の睡眠では、寝返りが必要です。つまり、寝返りをすることを妨げない寝具選びが、良い睡眠につながります。
左右が高くなっている枕がありますが、一見すると横向きのときに楽のようなイメージがあります。
しかし、ヒトの側臥位(横向きで寝る姿勢)では、思ったほど頭の位置は高くなりません。
なぜなら、側臥位では肩甲骨を前に出るようにして、肩を大きく前に出すようにするからです。
詳細は以前の記事参照( http://juseishibookshelf.blogspot.com/2012/08/blog-post_13.html)
つまり、横方向には高低差が必要ないのです。
条件4.縦方向は背中の深くから首にかけてしっかり支持されており、頚椎に剪断力がかからない
解剖学的には、頚椎は前凸のアーチを保っています。つまり、仰向けに寝たときに頚椎は真ん中辺が最も高くなるように、このアーチを保たなくてはいけません。
次に、背中にかけて徐々にアーチが後凸に変化していきます。
下の図を参照してもらえれば分かると思います。
オーダーメード枕.com(http://xn--eckl0esb1hwgb3392i.net/002.html)参照
上記の絵では枕と背中が空いていますが、できるだけこの空間も埋めてくれるような、枕が良いです。
高い枕で、首の下で急にストンと終わってしまう枕では、枕で支えられている頚椎は上に持ち上げられる一方、枕の支えがない部分では体重により下に下げられます。
当然、その境界線となっている頚椎に負担がかかり、痛みにつながります。
低い枕で、背中にかけてなだらかに終える枕を選びましょう。
条件5.頭部は2〜3cmの高さで保持される
2〜3cm程度の高さが頚椎の形状から正常であると、「枕革命 ひと晩で体が変わる (講談社プラスアルファ新書)」に書いてありました。オーダーメイド枕で有名な整形外科医の先生が書いた、信頼できる本です。
確かに、座った姿勢や立った姿勢で頭が前に出ている人は、そのまま寝ると高い枕が必要です。
しかし、正常の頚椎の位置で寝ようとすると、この2〜3cmという低めの枕と言われる高さが最適であると考えます。
起きているときに頭が前に出ている人にとっては、低い枕を使い始めるときにかなりの違和感があります。
これは私も経験しました。
でも1週間ほどで慣れてくるようになりました。
寝ているだけで、頚椎の位置を正常に近づけているために、違和感が出ると考えてトライすることをお勧めします。
結論
以前からオススメしているエアーウィーブの枕が、既製品の中で上記5条件を満たしている良い枕と言えます。ただし、アマゾンではそれ程は高い評価を受けていません。
しかし、エアーウィーブ枕には良い枕の条件が整っていると私は考えています。
じゃあ、なぜこの枕は低い評価を受けているのでしょうか??
評価を低くつけている一部の人は、枕が硬すぎると言っています。
それは敷き布団(もしくはマットレス)のほうが柔らかすぎることが原因の可能性があります。
身体を支える敷き布団(もしくはマットレス)は柔らかいので「身体は沈む」が、枕がエアーウィーブで高反発のため頭と首は沈まないので、頚部に負担がかかり痛みが増加する可能性がかなり高いと思います。
敷き布団(もしくはマットレス)も一緒に高反発のエアーウィーブの敷き布団に変えることを強くお勧めします。
繰り返しますが、①頭と首の支える枕と、②身体を支える敷き布団(もしくはマットレス)の「相対的な硬さの差」が大きくなると逆に頚部に負担をかけます。
私は、この考えで寝具を揃えたら、とても疲れがとれる上質な睡眠を手に入れました。
枕と敷きパッドの総額5万程度の出費でしたが、3年(約1,000日)使うと考えても1日たった50円。
それを上回る効果がありますので、皆さんも是非御試し下さい。