2015年11月24日火曜日

腰痛患者は2800万人の文献について

腰痛2,800万人の根拠は?

最近ニュースなどで腰痛患者が2800万人になったと聞きますが、
この根拠文献は何なのだろうと調べてみました。

まず、調べていくと朝日新聞の医療サイト apital にて、
「厚労省研究班(主任研究者=吉村典子・東大病院特任准教授)」という一文があった。
ということは、厚生労働省が発表しているのだろうか?
「腰痛、推定2800万人 40~60代の4割、悩む」
http://apital.asahi.com/article/news/2013032400001.html

もう少し調べていくと、以下ブログに有力情報がありました。

「プログラミングとかブログ」
http://shirakamisauto.hatenablog.com/entry/2015/07/23/081308

どうやら、
「膝痛・腰痛・骨折に関する高齢者介護予防のための地域代表性を有する大規模住民コホート追跡研究」
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201217001A
という研究を参照しているみたいです。


この文献によると、
腰痛2,770万人(男性1,210万人、女性1,560万人)
膝痛1,800万人(男性710万人、女性1,090万人)
だそうです。

あまりクローズアップされてませんが、
膝痛もかなり多いそうですよ。

長寿になれば、関節に負担がかかるのですね。

原因不明の腰痛患者の割合は?

さらに、原因不明の腰痛患者の割合が85%と言われている。
これは以下の厚生労働省が出しているPDFでも参照している数値です。
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/1911-1_2d_0001.pdf
85%の根拠論文は、
What can the history and physical examination tell us about low back pain? JAMA 268: 760-765, 1992
だそうです。
ということは、日本に原因不明の腰痛患者さん(プライマリケアにおいて)は、
2,770万人 × 85% = 2,354万人
もいることになります。

原因が分かっているのは、
2,770万人 - 2,354万人 = 416万人
ということになりますね。

医学は現在、発展途上にありますので、
このような結果が現状なのですね。