2014年7月20日日曜日

どういう時期に何を悩み、何を思って医学書を選んだのか?

当ブログでは内容の詳細よりも、その本とどう出会ったのか、どういう経緯・思いで購入したのかを中心に書いています。
自分が本を通じて臨床家として歩んでいく本の足跡を残したかったのです。 
なぜなら、柔道整復師としてどういう時期に何を悩んで、 どの本を読むのかという部分は多くの人が共通しているのではないかと思うのです。 
だから、それを共有して意味があるのではと思ったのです。 
この思いとブログ内容が伴っていないかもしれませんが、
できる限り、その思いで今後もブログを書き続けられればいいなと思います。 

過去の記事をみると、 なぜその本を選んだのかをもう少し詳細に書いていかなくてはいけないな、 と反省します。 

とにかく、臨床に悩んで、インターネットで流れついた人が、
ハッと「俺も同じように悩んでるっ!」と思えるブログを目指したいです。
そんな形で少なからず業界へ恩返しをできればと思います。

本への投資は自分への投資だ

自分への投資はしているだろうか? そういう私自身は結構している方だと思います。

 何にしているかと言うと、医学書への投資です。

 セミナーによく行くタイプの人、
本を買って独学で勉強するタイプの人など、
自分への投資は様々なやり方があると思います。 

それはそれでいいと思うのです。
要は自分を高めていく意識があるかどうかが重要なのです。 

ただ、残念ながら柔道整復業界には、
勤務している院のやり方、先輩のやり方を学び、 その臨床経験が全てで、
自分が経験した中だけで完結している人がいます。 
そんな人を見るたびに「もっと頑張らなくては」と、 自分に言い聞かせることにしています。
その人が頑張らない分、自分は頑張って一緒に業界ごと沈めてはいけないという思いに駆られます。 

私の自分への投資の仕方は、もっぱら本が多いのです。
なぜならば、セミナーにも行ってみたいのですが、 勤務時代を通して、あいにくの土日勤務でなのです。

 今まで出会ってきた同業者の中では、本で知識を増やすタイプの人が多く、 3タイプの人に出会ってきました。

タイプ1)理学療法など専門書を買う人
タイプ2)一般向けの健康本を買う人
タイプ3)健康系(ターザンなど)の雑誌を買う人 

もし今見ている読者の方が、まだこの業界でかけ出しの時期の方なら参考にして聞いてほしいです。
絶対にタイプ1の人になってください。

 理由はわかりますよね。
だって、私たちは専門家ですよ。

臨床では、以下2つのことが求められると考えています。
①一般の人が知っている知識よりもはるかに深いところで理解する
②話す内容を一般人が理解できるレベルで話す

そのため上述した、タイプ2・3の人が理解できます。
確かに、 一般の人が求めるニーズを上手くとらえ、わかりやすく説明している一般者向けの本を読むことで患者説明の参考になるし、トレンドも理解できます。
さらに、作者はなぜ痛みが出るのか、どう治せばいいのかを理解して書いています。

しかし、一般向けにはなぜ痛みが出ているのかという深い部分までは書いていないでしょう。
だから、その本を読んでいても本当の治療ができる理論まではたどり着かないでしょう。 
一般向けの本は、なぜ痛くなったかの小難しい部分はざっくりわかりやすくします。
そして、さも治るかのような演出をして、治療の方法を列挙します。
だから、応用はきかないので、パターン化にたどりつきます。

でも、臨床は違います。
患者さん一人一人に違いがあり、その違いを見極める知識と、 その知識が土台となり場数を踏んで磨いた観察力が必要です。
その知識とは機能解剖学・疾患の病態・鑑別疾患・治療法など多岐にわたります。
それではじめて一人前に治療ができます。 

話が長くなりましたが、 「専門家には専門書での知識の探求が必要だ」と言うことです。 
そして、専門書にもピンきりでレベルが異なるものです。
当ブログにてお勧めの本を書きますので参考にしてください。

2014年7月1日火曜日

運動療法の考えとして

改めて紹介したい本があります。

かれこれ出会ってから1年程度ですが、最近もずっと手放せない本となっております。
それが、これです。

運動機能障害症候群のマネジメント―理学療法評価・MSBアプローチ・ADL指導

病態の評価でバイブルとなる

何が優れた本かというと、病気の分類を再定義していることです。

学生時代の疑問

私は学生時代に勉強していて、以下のような疑問を持っていました。

椎間板ヘルニアというのは椎間板が突出してしまった結果、MRIなどにより確定する病態。
だが、その椎間板が損傷する前駆症状と言うのはないのだろうか?

すべり症というのは、椎弓が折れて、椎体が元位置にとどまらない病態。
だが、その椎弓が折れる前駆症状はないのだろうか?

椎間板ヘルニア・すべり症は共に脊柱管狭窄症の原因になると言うが、この関連性はないのだろうか?

「ドクターはレントゲンを撮って病気を判断するから、判断基準はすべて病気となった結果に対しての評価であり、病気になる過程を重視しないのだ、でもどう考えたらいいのだろうか」
と、ずっと感じていました。

本による病態の再定義

この答えをこの本は持っていました。

病態は生じる関節へのストレスから分類し直すことで、理学療法士が病態を把握しやすいようにしてあります。

原因を正確に評価できるから、治療方針も明確にできるのです。
以前から治療とは「評価が大切」と思っていた自分にとってもフィットしています。

例として腰痛を挙げてみましょう。

毎回、腰部を過度に屈曲をしていることで疼痛がている患者がいるとしましょう。
ぎっくり腰になったようです。
将来的には椎間板ヘルニアになる可能性があります。
前屈を行わせると、腰椎の可動域が正常可動域より大きく動いているようにみえます。
治療として、腰椎が過剰な前屈を行わないように修正します。

というわけで、単純なようで奥が深いのです。
前屈が原因で腰痛が出ているという評価ができることが重要なのですが、この本を注意深く読むとこれがわかります。

ぜひ買ってみてください!


運動機能障害症候群のマネジメント―理学療法評価・MSBアプローチ・ADL指導