2014年7月1日火曜日

運動療法の考えとして

改めて紹介したい本があります。

かれこれ出会ってから1年程度ですが、最近もずっと手放せない本となっております。
それが、これです。

運動機能障害症候群のマネジメント―理学療法評価・MSBアプローチ・ADL指導

病態の評価でバイブルとなる

何が優れた本かというと、病気の分類を再定義していることです。

学生時代の疑問

私は学生時代に勉強していて、以下のような疑問を持っていました。

椎間板ヘルニアというのは椎間板が突出してしまった結果、MRIなどにより確定する病態。
だが、その椎間板が損傷する前駆症状と言うのはないのだろうか?

すべり症というのは、椎弓が折れて、椎体が元位置にとどまらない病態。
だが、その椎弓が折れる前駆症状はないのだろうか?

椎間板ヘルニア・すべり症は共に脊柱管狭窄症の原因になると言うが、この関連性はないのだろうか?

「ドクターはレントゲンを撮って病気を判断するから、判断基準はすべて病気となった結果に対しての評価であり、病気になる過程を重視しないのだ、でもどう考えたらいいのだろうか」
と、ずっと感じていました。

本による病態の再定義

この答えをこの本は持っていました。

病態は生じる関節へのストレスから分類し直すことで、理学療法士が病態を把握しやすいようにしてあります。

原因を正確に評価できるから、治療方針も明確にできるのです。
以前から治療とは「評価が大切」と思っていた自分にとってもフィットしています。

例として腰痛を挙げてみましょう。

毎回、腰部を過度に屈曲をしていることで疼痛がている患者がいるとしましょう。
ぎっくり腰になったようです。
将来的には椎間板ヘルニアになる可能性があります。
前屈を行わせると、腰椎の可動域が正常可動域より大きく動いているようにみえます。
治療として、腰椎が過剰な前屈を行わないように修正します。

というわけで、単純なようで奥が深いのです。
前屈が原因で腰痛が出ているという評価ができることが重要なのですが、この本を注意深く読むとこれがわかります。

ぜひ買ってみてください!


運動機能障害症候群のマネジメント―理学療法評価・MSBアプローチ・ADL指導


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