以下の方は可動域が戻ってきました。
1.小学校4年の外果骨折固定後の拘縮
2.肘頭骨折伸展位固定後の拘縮(内1名)
小学校4年生の子は3ヶ月くらいで可動域がもっどってしまいました。リハビリ中は結構痛がってはいたものの、やはり若い子は回復が早いなと思わされました。2番目の方は肘関節伸展位固定の保存療法にて1か月、その後バイブラにて温め可動域訓練を行っていました。始めの3カ月ほどは可動域に変化はなくこう着状態で、肘関節屈曲90度くらいで肘頭窩に強い痛みを訴えました。根気よくリハビリを続けていき、現在では肘関節屈曲140度ほどで健側との差はわずかです。伸展可動域は終止改善せず、-20度ほどです。
勤務先でのシステム上、担当しているわけではないのでどの手技が効果的であったかの検証が難しいですが、僕が参照したのは『関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション―上肢』という本です。以下のことに気をつけて後療法を行っています。
a.上腕三頭筋の肘頭付着部周辺の柔軟性確保
b.上腕三頭筋短頭の収縮促進
c.上腕筋の収縮促進
残念ながら、以下2名の方は現在も肘関節屈曲90度程度の可動域となっており、今後も後療法を工夫していかなくてはなりません。特に肘頭骨折の方は、同時期に同じ保存療法にて固定、期間も1か月と同条件にもかかわらず予後が異なります。骨折の程度(骨片の離開)・部位も同じなのです。今後検証していく必要があります。
3.橈骨頭頸部骨折固定後の拘縮
4.肘頭骨折伸展位固定後の拘縮(内1名)
また、他院にて肘頭骨折観血療法(Zuggurtung法)を行いリハビリを当院にて行いたいという患者さんが3月末に来院しています。何か面白いことが報告できるかもしれません。
現状で感じることとしては、術後1カ月半程度ですが可動域(他動にて屈曲120度可能)がよい。保存療法はこの可動域制限が顕著です。ただ、肘後面の手術創部が硬くなっており、皮膚の可動性が低下しています。どこまで回復できるのかは追って報告できればと思います。また、この後療法も『関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション―上肢』にばっちり載っていますw
今後もたくさんの本を読みながらお勧めを書いていきたいと思います。
参考になったという方は、以下のリンクよりお買い求め下さい。
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