学生時代に肩鎖関節脱臼の分類は以下の様に学んだ。
①「第1度」肩鎖靭帯の部分断裂
②「第2度」肩鎖靭帯の完全断裂、鎖骨外端が肩峰に対して1/2上方転位
③「第3度」肩鎖・烏口鎖骨靭帯の完全断裂、鎖骨外端下面が肩峰に対して完全に上方転位
これは「柔道整復理学 理論編 第5版」(2009年発行)に図が記載されている「Tossy分類」のことである。
今も変わらずこのように教えられているみたいだ。
しかし、以下2つの他書をみると「Rockwood分類」が用いられている。
1.「骨折・脱臼 第2版」(2004年発行)
2.「肩の診かた、治しかた」(2005年発行)
「Rockwood分類」は最近用いられることが多くなった分類であり、全6型に分類する。「Tossy分類」第3度が「Rockwood分類」のⅢ~Ⅵ型に該当する。
この2冊はドクター向けの本であるためか、鎖骨外端の転位がどの程度かまで分類する必要があるのだろう。
治療法は「Rockwood分類」程度により異なる。Ⅳ型以上は観血療法適用であり、Ⅲ型は①放置、②保存療法、③手術療法の3パターンが考慮される。もちろん、Ⅱ型以下は保存療法適応である。
詳細は本書を参照してほしい。
このように、世の中の流れは治療法の選択の際に有用な「Rockwood分類」を使っているのです。
なぜ柔整師の教科書はこのように情報が古いのか。
整形外科への紹介の際に必要な知識ではないだろうか。
柔整業界が国民から信頼される業界になるためにも最新の情報を学生に提供し、人材育成に励んでほしいものです。
そして、資格者は自分の知識が最新でないことを認識し、常に情報を仕入れる努力を怠らないことを心がけたいものです。
今後もたくさんの本を読みながらお勧めを書いていきたいと思います。
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