2014年12月18日木曜日

接骨院にマーケティングという考え方

私も開業して2年が過ぎようとしています。
2年前は私も考えが浅いところも多く、苦労してきました。
その当時は、「接骨院を開業するときには何が必要なのだろうか」という問いに対して、以下のように考えていました。

痛みを治すことが一番重要。
そのための技術と理論さえあれば患者さんはまた来てくれる。

確かに、正しいといえば正しいのですが、皆様は今どのように考えていますか?

実は私のその考えは、最近、この本を読んで変わりました。


どう変わったかというと、その考えは「技術屋によくある考えであり、独りよがり」だと。
本によると、「良い商品を作れば売れるはず」と考える開発チームと「もっとニーズに合ったものを」と考える営業チームで争うことがよくあるそうで、これを解決するのが会社としてどういう会社にしていくかの戦略であるそうだ。

確かに、接骨院のターゲットも考えていない(全ての人を相手にしようとしていた)し、バトルフィールドも考えていなかった。
そして、自社の強みはあるが、その強みを一貫して広告などで押し出せていなかった。
社員の評価も会社として目指す方向と一貫性がなくてはいけない。

ちょうど今の自分の悩みについてヒントをくれる、とっても刺激的な本でした。

密着軸のスタバと手軽軸のドトールの違い
ファーストフードのマクドナルドは、コーヒーショップのドトールと競合する
シャネルが来店すると割引するという広告で新規のお客さんを集めてはいけない
などたくさんの気づきがありました。

「マーケティングって何?」って方や、「読んだけどいまいちイメージできない」という方は以下の2つの本から見ていくとすごくわかりやすいです。
私もこの2つは読みました。
小説のように登場人物が経営が上手くいかないイタリア料理店で、マーケティング手法を使って経営者として成長していく内容です。
上の本は、売れない店を売れるようにしていく内容で、下の本はその続編として、強力なライバルに打ち勝つ強い店づくりとしてマーケティングが学べる構成になっています。
1冊2〜3時間ほどあれば読めます。

 

 

以上、マーケティングの本の紹介でした。
接骨院にもマーケティングの手法を取り入れて、時代に即した経営を行っていくことが、業界を高めていくのではないか、と思っています。
参考になればと思います。



2014年9月19日金曜日

良い枕の条件とは?

今日は良い枕の条件について考えてみたいと思います。

肩こりに悩まされる人は多いと思います。
そこで、私の枕探しの経験と、解剖学的見地から考える枕の最適条件について書きたいと思います。

良い枕の条件

私が考える、最適な枕の条件は以下の5つです。
条件1.季節の温度変化によって枕の機能が変化しない
条件2.枕の形状が常に維持されている
条件3.寝返りがうちやすいように横方向には高低差がない
条件4.縦方向は背中の深くから首にかけてしっかり支持されており、頚椎に剪断力がかからない
条件5.頭部は2〜3cmの高さで保持される

これより、この条件を1つずつ解説していきます。

条件1.季節の温度変化によって枕の機能が変化しない

自分の経験では、テンピュールの枕は夏場に柔らかくなり、冬場には硬くなります。
そのため、季節によって首の調子が良くなったり、悪くなったりすることに気がつきました。
ですので、低反発素材は基本的に枕選びからは、除外したほうが良さそうです。

条件2.枕の形状が常に維持されている

枕の形は首や頭を支える最適な形状に常にキープされている必要があります。
なぜなら、ビーズやそば殻などの枕は寝始めに寝心地が良くても、寝返りをうつ中で形状が変わり、寝苦しくなることが多いです。
「朝起きると枕から頭が外れていた」という状況はそういう理由から起こります。
そのため、ビーズやそば殻などの動く素材は除外したほうが良さそうです。

条件3.横方向には寝返りがうちやすいように高低差がない

人間の睡眠では、寝返りが必要です。
つまり、寝返りをすることを妨げない寝具選びが、良い睡眠につながります。

左右が高くなっている枕がありますが、一見すると横向きのときに楽のようなイメージがあります。
しかし、ヒトの側臥位(横向きで寝る姿勢)では、思ったほど頭の位置は高くなりません。
なぜなら、側臥位では肩甲骨を前に出るようにして、肩を大きく前に出すようにするからです。
詳細は以前の記事参照( http://juseishibookshelf.blogspot.com/2012/08/blog-post_13.html
つまり、横方向には高低差が必要ないのです。

条件4.縦方向は背中の深くから首にかけてしっかり支持されており、頚椎に剪断力がかからない

解剖学的には、頚椎は前凸のアーチを保っています。
つまり、仰向けに寝たときに頚椎は真ん中辺が最も高くなるように、このアーチを保たなくてはいけません。
次に、背中にかけて徐々にアーチが後凸に変化していきます。
下の図を参照してもらえれば分かると思います。
オーダーメード枕.com(http://xn--eckl0esb1hwgb3392i.net/002.html)参照

上記の絵では枕と背中が空いていますが、できるだけこの空間も埋めてくれるような、枕が良いです。
高い枕で、首の下で急にストンと終わってしまう枕では、枕で支えられている頚椎は上に持ち上げられる一方、枕の支えがない部分では体重により下に下げられます。
当然、その境界線となっている頚椎に負担がかかり、痛みにつながります。

低い枕で、背中にかけてなだらかに終える枕を選びましょう。

条件5.頭部は2〜3cmの高さで保持される

2〜3cm程度の高さが頚椎の形状から正常であると、「枕革命 ひと晩で体が変わる (講談社プラスアルファ新書)」に書いてありました。
オーダーメイド枕で有名な整形外科医の先生が書いた、信頼できる本です。
確かに、座った姿勢や立った姿勢で頭が前に出ている人は、そのまま寝ると高い枕が必要です。
しかし、正常の頚椎の位置で寝ようとすると、この2〜3cmという低めの枕と言われる高さが最適であると考えます。

起きているときに頭が前に出ている人にとっては、低い枕を使い始めるときにかなりの違和感があります。
これは私も経験しました。
でも1週間ほどで慣れてくるようになりました。
寝ているだけで、頚椎の位置を正常に近づけているために、違和感が出ると考えてトライすることをお勧めします。

結論

以前からオススメしているエアーウィーブの枕が、既製品の中で上記5条件を満たしている良い枕と言えます。


ただし、アマゾンではそれ程は高い評価を受けていません。
しかし、エアーウィーブ枕には良い枕の条件が整っていると私は考えています。

じゃあ、なぜこの枕は低い評価を受けているのでしょうか??

評価を低くつけている一部の人は、枕が硬すぎると言っています。
それは敷き布団(もしくはマットレス)のほうが柔らかすぎることが原因の可能性があります

身体を支える敷き布団(もしくはマットレス)は柔らかいので「身体は沈む」が、枕がエアーウィーブで高反発のため頭と首は沈まないので、頚部に負担がかかり痛みが増加する可能性がかなり高いと思います。
敷き布団(もしくはマットレス)も一緒に高反発のエアーウィーブの敷き布団に変えることを強くお勧めします。

繰り返しますが、①頭と首の支える枕と、②身体を支える敷き布団(もしくはマットレス)の「相対的な硬さの差」が大きくなると逆に頚部に負担をかけます

私は、この考えで寝具を揃えたら、とても疲れがとれる上質な睡眠を手に入れました。
枕と敷きパッドの総額5万程度の出費でしたが、3年(約1,000日)使うと考えても1日たった50円
それを上回る効果がありますので、皆さんも是非御試し下さい。


2014年7月20日日曜日

どういう時期に何を悩み、何を思って医学書を選んだのか?

当ブログでは内容の詳細よりも、その本とどう出会ったのか、どういう経緯・思いで購入したのかを中心に書いています。
自分が本を通じて臨床家として歩んでいく本の足跡を残したかったのです。 
なぜなら、柔道整復師としてどういう時期に何を悩んで、 どの本を読むのかという部分は多くの人が共通しているのではないかと思うのです。 
だから、それを共有して意味があるのではと思ったのです。 
この思いとブログ内容が伴っていないかもしれませんが、
できる限り、その思いで今後もブログを書き続けられればいいなと思います。 

過去の記事をみると、 なぜその本を選んだのかをもう少し詳細に書いていかなくてはいけないな、 と反省します。 

とにかく、臨床に悩んで、インターネットで流れついた人が、
ハッと「俺も同じように悩んでるっ!」と思えるブログを目指したいです。
そんな形で少なからず業界へ恩返しをできればと思います。

本への投資は自分への投資だ

自分への投資はしているだろうか? そういう私自身は結構している方だと思います。

 何にしているかと言うと、医学書への投資です。

 セミナーによく行くタイプの人、
本を買って独学で勉強するタイプの人など、
自分への投資は様々なやり方があると思います。 

それはそれでいいと思うのです。
要は自分を高めていく意識があるかどうかが重要なのです。 

ただ、残念ながら柔道整復業界には、
勤務している院のやり方、先輩のやり方を学び、 その臨床経験が全てで、
自分が経験した中だけで完結している人がいます。 
そんな人を見るたびに「もっと頑張らなくては」と、 自分に言い聞かせることにしています。
その人が頑張らない分、自分は頑張って一緒に業界ごと沈めてはいけないという思いに駆られます。 

私の自分への投資の仕方は、もっぱら本が多いのです。
なぜならば、セミナーにも行ってみたいのですが、 勤務時代を通して、あいにくの土日勤務でなのです。

 今まで出会ってきた同業者の中では、本で知識を増やすタイプの人が多く、 3タイプの人に出会ってきました。

タイプ1)理学療法など専門書を買う人
タイプ2)一般向けの健康本を買う人
タイプ3)健康系(ターザンなど)の雑誌を買う人 

もし今見ている読者の方が、まだこの業界でかけ出しの時期の方なら参考にして聞いてほしいです。
絶対にタイプ1の人になってください。

 理由はわかりますよね。
だって、私たちは専門家ですよ。

臨床では、以下2つのことが求められると考えています。
①一般の人が知っている知識よりもはるかに深いところで理解する
②話す内容を一般人が理解できるレベルで話す

そのため上述した、タイプ2・3の人が理解できます。
確かに、 一般の人が求めるニーズを上手くとらえ、わかりやすく説明している一般者向けの本を読むことで患者説明の参考になるし、トレンドも理解できます。
さらに、作者はなぜ痛みが出るのか、どう治せばいいのかを理解して書いています。

しかし、一般向けにはなぜ痛みが出ているのかという深い部分までは書いていないでしょう。
だから、その本を読んでいても本当の治療ができる理論まではたどり着かないでしょう。 
一般向けの本は、なぜ痛くなったかの小難しい部分はざっくりわかりやすくします。
そして、さも治るかのような演出をして、治療の方法を列挙します。
だから、応用はきかないので、パターン化にたどりつきます。

でも、臨床は違います。
患者さん一人一人に違いがあり、その違いを見極める知識と、 その知識が土台となり場数を踏んで磨いた観察力が必要です。
その知識とは機能解剖学・疾患の病態・鑑別疾患・治療法など多岐にわたります。
それではじめて一人前に治療ができます。 

話が長くなりましたが、 「専門家には専門書での知識の探求が必要だ」と言うことです。 
そして、専門書にもピンきりでレベルが異なるものです。
当ブログにてお勧めの本を書きますので参考にしてください。

2014年7月1日火曜日

運動療法の考えとして

改めて紹介したい本があります。

かれこれ出会ってから1年程度ですが、最近もずっと手放せない本となっております。
それが、これです。

運動機能障害症候群のマネジメント―理学療法評価・MSBアプローチ・ADL指導

病態の評価でバイブルとなる

何が優れた本かというと、病気の分類を再定義していることです。

学生時代の疑問

私は学生時代に勉強していて、以下のような疑問を持っていました。

椎間板ヘルニアというのは椎間板が突出してしまった結果、MRIなどにより確定する病態。
だが、その椎間板が損傷する前駆症状と言うのはないのだろうか?

すべり症というのは、椎弓が折れて、椎体が元位置にとどまらない病態。
だが、その椎弓が折れる前駆症状はないのだろうか?

椎間板ヘルニア・すべり症は共に脊柱管狭窄症の原因になると言うが、この関連性はないのだろうか?

「ドクターはレントゲンを撮って病気を判断するから、判断基準はすべて病気となった結果に対しての評価であり、病気になる過程を重視しないのだ、でもどう考えたらいいのだろうか」
と、ずっと感じていました。

本による病態の再定義

この答えをこの本は持っていました。

病態は生じる関節へのストレスから分類し直すことで、理学療法士が病態を把握しやすいようにしてあります。

原因を正確に評価できるから、治療方針も明確にできるのです。
以前から治療とは「評価が大切」と思っていた自分にとってもフィットしています。

例として腰痛を挙げてみましょう。

毎回、腰部を過度に屈曲をしていることで疼痛がている患者がいるとしましょう。
ぎっくり腰になったようです。
将来的には椎間板ヘルニアになる可能性があります。
前屈を行わせると、腰椎の可動域が正常可動域より大きく動いているようにみえます。
治療として、腰椎が過剰な前屈を行わないように修正します。

というわけで、単純なようで奥が深いのです。
前屈が原因で腰痛が出ているという評価ができることが重要なのですが、この本を注意深く読むとこれがわかります。

ぜひ買ってみてください!


運動機能障害症候群のマネジメント―理学療法評価・MSBアプローチ・ADL指導


2014年6月30日月曜日

変形性膝関節症にとっての床座位の危険

床座位では、変形性膝関節症にとってのいくつかの危険性があります。

その危険性とは何なのでしょうか?

変形性関節症はLateral thrustが原因?


以前に膝OAに関与する外力として、Lateral thrustを紹介しました。

Lateral thrust が膝OAのポイント」(http://juseishibookshelf.blogspot.jp/2012/07/lateral-thrust-oa.html

しかし、この考えは最近になって原因として違うのではないかと結論に至ったのです。

全く違うのではないが、主だった原因ではないのではないかということです。

ただ、2・3年前までは雑誌「理学療法」などでもこのLateral thrustを念頭に置いている論文が多く出ているので、未だに日本の医療の中では中心的な概念ではあります。

このLateral thrustを本当の意味で理解していないかもしれないし、今後はやはり重要だと再認識するかもしれませんが、この概念からだとなかなか治療で痛みの解消に直結しませんでした。

変形性関節症はなぜ起こるか?


個人的には、変形性膝関節症は「捻れ」が原因だと考えています。

また、現在この捻れを解消するように治療すると効果が上がります。

そのため、膝OAは捻れが原因なのではないかとの思いは強まったのです。

危険な横座り


実は膝の痛みをもつ患側で横座りをすることが多いです。

それにより膝が捻られて痛みを生み出しているのです。

自分で原因を作っていて、気付かない患者さんが多いのです。

問診などで確認してみてください。

2014年4月13日日曜日

人の歩き方は様々

通勤途中に人の歩き方を観察しているが、実に多種多様な歩き方をしているのです。

昨日見たのは、左だけ足先が内に向いており、右は真っ直ぐでした。

左足関節が底屈、踵接地が消失、左下肢が内旋していました。

本人は左右均等に身体を使って歩いているのでしょうが、誰しも左右差を持って歩いているのだなとつくづく実感しました。

その子は高校生だったのですが、この子が歳を重ねるといつかは痛みや変形につながると思うと、身体の正しい使い方と言うのは非常に重要だと思います。

今は自分の接骨院を通じて、痛みを少なくすることに力を注いでいますが、いつかはもっと若い世代に身体の正しい使い方を指導し、予防への取り組みをしても面白いかなと思います。

2014年1月26日日曜日

柔塾という便利なサイト

便利なサイトがあったので紹介します。

柔塾
http://ywrjk.com/


請求に関することで、「あれっ、よく考えるとこれはどういう決まりだろうか」と思うときがあります。

そんな時に改めて見直すと非常に勉強になります。

初検料、再検料、休日加算、深夜加算、時間外加算、初検時相談支援料などをわかりやすく説明してくれます。

知らなかったというミスをなくして、正しい請求を心がけたいものです。

利用者目線の大切さ

皆さんは、街を歩いてて、「ランチを食べよう」と思ったらどうやって調べるでしょうか?

僕の場合は、スマホで検索してしまいます。

先週の休日に外出した際にもランチを調べるためにも検索したのです。
でも、おいしい店は本当にヒットしない。
というか、検索でヒットした店が本当においしいかわからない。

というのも、普通にググって(googleで検索して)しまうと検索で多くの店が出るが、まず検索で上位にヒットした店は美味しいか関係ない。
そこで食べログなどのランキングを参考にすることになる。
昔やらせなどで話題になったものの、投稿の中には本当の評価もあるわけで、やらせではなさそうな投稿数の店なら人気店と判断し、大いに参考にします。

しかし、その「食べログ」はスマホで検索すると、ランキングを有料会員にしか開放していない。
実に不便です。

個人的には、この方針は食べログが衰退させるきっかけとなると思います。

そこでお金を儲けようという考えもわからなくはないですが、「誰でも投稿できて、客観性が確保されて、誰でも見れる」から便利なわけで、食べログの存在意義があると思うのです。

現に、最近Google Map上の評価が増えています。
「新宿 ランチ」などでググってみると、グーグルの地図とともに飲食店名が評価とともに出てきます。
こちらは誰でも投稿、検索ができます。

「便利ではない=利用価値がない」ということですので、これは危ないなと思います。


学ぶこと

「便利=価値がある」は商売の基本です。
これは自分たちの業界にも当てはまることです。

わが業界の「便利」という意味は様々な解釈ができると思います。
それは個々の院によって方針は異なると思いますが、自分もこれを機に改めて考えたいなと思いました。


2014年1月22日水曜日

お姉さん座りとは?

患者さんの問診中にカルテに書くときに、名前がわからないことがあります。

今日は患者さんの座り方によって、脊柱起立筋が左右差を持っていたのです。

そこでカルテに書こうとしたのですが、座り方の名前がわからない。

正座から脚を横に崩した座り方。
あー、思い付かない。

「お姉さん座り」

結局、そう書くことにしました。

なんて素人のような記載なんだろうと恥ずかしくなりました(苦笑)

後程調べたら、

「横座り」

だそうです。

専門書で見たりする語句ではあるのですが、いざ思い出すと出てこないものですね。

2014年1月21日火曜日

続運動機能障害症候群のマネジメント—頸椎・胸椎・肘・手・膝・足

久しぶりの更新です。

開業して院内業務に追われ、自分の勉強時間も減っており前に進んでいない気がしている最近です。

さて、久しぶりにオススメの本があるので紹介したいと思っております。

それは、「続運動機能障害症候群のマネジメント―頸椎・胸椎・肘・手・膝・足」です。


出会ったきっかけは話すと長くなるのですが、
蒲田和芳先生(広島国際大学保険医療学部 准教授)のオススメの本なのです。

蒲田先生はPTで、コアセラピーの著書で知っていました。

その後、たまたま講演のDVDを購入し、治療への考えについて共感できるものがあり、DVDの中で先生のお勧めする本を買ってみたのです。

それが「続運動機能障害症候群のマネジメント―頸椎・胸椎・肘・手・膝・足」なのです。

著者は Shirley Sahrmann というアメリカのPTです。

読んでみて非常に驚くのが、次のような考えでした。
現在定義されている疾患はDr.のための疾患であって、それはPTがとらえている疾患の病態とは違うので、PTが関わる運動器疾患を定義し、検査法や治療法を確立することで、その疾患に関してはPTが診断することができるように社会から信頼されるようにしていきたい、という考えだ。
これが実現すれば、医師が運動器疾患に異常のある患者さんを、詳細な診断を依頼するためにPTへ紹介する社会が来るかもしれない。

また、こうも言っている。
患者は運動器疾患の予防のために年に1回は定期検診をするべきである。身体に機能的異常がないか早期発見をし、身体にストレスのかかる部位を発見し、早期に治療をすることで医療費を削減できるだろう、と。

これはすばらしい考えだと思う。
社会の中で必要とされる存在になっていくことが、PTの地位を向上させ、職業として安定したものにしていく事何だと思う。
これだけの意思に僕ら柔道整復師も見習っていかなくてはいけないと思う。

内容の詳細はここでは控えるが、変形が生じるメカニズムを具体的な症例を挙げて説明している。

痛みの多くは日常生活の中の動作などに起因しているので、それを注意深く観察し、正しい運動に修正することで、痛みを軽減できるとの考えが展開されている。

ここ最近で出会った中で、最高の著書であると思います。

※ちなみにこの一つ前の著書も併せて購入することがオススメ!
なぜなら、これは同じ内容ではなく、腰・股関節・肩甲帯について書いているため、最新版とは内容が異なる。最新版からもこちらを参照するようにと省かれていることが多い。
特に治療法としてのエクササイズはこちらの著書に多く載っているので、そのためにも合わせて購入したい。↓↓↓↓

運動機能障害症候群のマネジメント―理学療法評価・MSBアプローチ・ADL指導